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通勤輸送を支える東上鉄道の痕跡を探る①(柳瀬川駅~上福岡駅)

2020年6月1日

今や通勤の足として活躍する東武東上線は1914年(大正3年)5月1日に池袋-田面沢間に開業した路線です。開業当時は東武ではなく東上鉄道でした。約100年前ということでさすがに当時の痕跡は残っていないのかと思っていたら、開業当時の橋台が今も使われていることが分かりました。柳瀬川駅をスタートし当時の面影に触れていきながら北上します。

柳瀬川駅

痕跡は柳瀬川駅のすぐ北側にありました。駅と柳瀬川の間にある道路を越えるための橋台として今も使われています。

レンガ作りの橋台がきれいに残されていました。池袋方面(上り)の電車が今も上を走っています。100年前に蒸気機関車がこの上を走っていたと思うと感慨深いものがあります。



柳瀬川を越えるために少し高くしたのかどうかわかりませんが上の部分がセメントで埋めてありました。

国道463号線の北側

先ほどの場所から歩いて10分ほど北側に行くと国道463号線と交わります。そのすぐ北側に旧道らしき道があるので行ってみました。やはりここにもレンガの橋台がありました。


となりのセメント橋台の汚れがひどいです。レンガ作りの方は色褪せているものの今も現役に東上線を支えています。

ここから線路沿いの急な坂道を登ってみずほ台駅に向かいます。途中には痕跡は残っていませんでしたが10‰ほどの緩やかな登り坂です。10m級の小さなSLが煙を吹き出しながらここを登っていたのがたやすく想像できます。現在の様子(みずほ台方面を望む)⇩

みずほ台からはふじみ野に電車で移動です。

ふじみ野駅

この辺りは宅地化が進み駅近くはマンションが乱立していました。開業当時は畑が広がるローカル線だったとは思えないほどの発展です。このふじみ野駅はかなり遅く1993年(平成5年)の開業です。開業前は志木と川越の間に追い抜き線がなく急行が前の電車に追いついてとろとろと走っていたそうです。そのため信号所だったこの場所に2面4線のふじみ野駅を設けたという訳です。

さて上福岡方面に線路沿いを歩いていくと小さな花たちが出迎えてくれました。

沿線住民が育てているようです。心休まるひとときを終え北上します。ふじみ野駅から歩いて15分弱、調理師専門学校が見えてきました。


※画像は動画からの切り出しなので粗くなっています

線路と垂直に交わる道路の下に小川が流れていて暗渠になっているそうです。小川の上は縦長の公園が広がっています。線路の下には白く塗られた壁が見えます。

よく見るとセメントとレンガの壁を白く塗っただけのようです。


このレンガも開業当時の遺構です。白いレンガを見て気が付きましたがイギリス積みでした。これは長い短いを交互に積んだもので丈夫で経済的なので鉄道ではよく使われる積み方です。

上を眺めると桁橋の部分は錆びかけているのが見えます。セメントとT字鋼が交互になっている桁橋で雨が染み込みやすい構造のようです。また暗渠という側面もあり湿度が高いことが災いしているのかもしれません。

さて

ここまで3箇所見てきました。どこもレンガの橋台が残っていました。開業して107年目に入った東武東上線の痕跡をいまだにみることができるというのは驚きでした。

ここから上福岡駅の先も見ていく予定でしたが東武東上線お得意の人身事故が発生。さらには雷が鳴りはじめ今日はここまでとしました。続きの探索旅は後日に延期です。

通勤輸送を支える東上鉄道の痕跡を探る②(上福岡駅~川越市駅)

に続きます。