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ナムトク線を貸切ブルトレが走る③

2023年5月19日

前回「ナムトク線を貸切ブルトレが走る②」のつづき

サイヨークノーイ滝

2018年11月24日(土)11:50[現地時間]

ナムトク駅についたもののこの先の予定が立っていません。10人くらいの方は早々とソンテウに乗って1つ先のサイヨークノーイ滝方面に向かわれていました。あたりを見渡すと6人くらい集まっていて、タイ語が堪能な方がソンテウをチャーターしアルヒル桟道橋の対岸にある水上コテージまで行くというの話しをされていました。自分もその仲間に入れてもらえて水上コテージまで連れていってもらえることになりました。しかも1人あたり200バーツと超破格な値段。ではソンテウに乗って出発です。座席は空いてたもののタイ人がよくやってる立席スペースで向かうことにしました。あまりタイに馴染みのない方には珍しかったようで「大丈夫なの?」ていう顔をされていました。「大丈夫なんですよ、風が当たって気持ちいいんですよ」と心で思いながら笑顔で返しました。もはやタイ人。

いつの間にか水上コテージに直接向かうのではなく、いったんサイヨークノーイ滝に寄ってから行けることになっていました。願ったり叶ったり。あっという間に到着したのが323号線沿いのバス停でした。道路沿いにはたくさんの車が駐車してありお土産屋さんや飲食店、セブンイレブンなんかもあって結構賑わっています。バス停から少し登ると蒸気機関車が見えてきました。

この蒸気機関車は日本製C56 4(702)です。括弧内の番号はタイ国鉄の車両番号で702号機という意味です。突貫工事で作られた凸凹の斜面の間にはまだ線路が残されていて蒸気機関車はビルマ方面を向いたままそこに静態保存されていました。

タイに渡ったC56

フアランポーン駅構内のディーゼルカーの留置線近くに静態保存している蒸気機関車はC56 16(714)。タイの各地にC56が保存されてあり、ナムトックサイヨークノーイ駅ではC56 4(702)やサパン・クウェー・ヤーイ駅近くの公園にC56 23(719)も静態保存されている。またトンブリ―の工場には動態保存されている車両もあり、カンチャナブリ祭りでは屋外展示されることもある。【注意】括弧内の番号はタイ国鉄における車両番号
※写真はフアランポーン駅の714号機(2012年2月撮影)

蒸気機関車のナムトク駅寄りにはナムトクサイヨークノーイ駅、ビルマ寄りにはサイヨークノーイ滝があります。少し歩いて滝までやってきました。

暑い国なので最高の癒しです。ちなみにナムトクは滝の意味です。ナームが『水』、トックが『落ちる』。ふたつ合わせて滝になります。30分ほど休憩し先ほどのバス停に戻ってみるとソンテウのお兄ちゃんがすでに別のソンテウで迎えに来ていました。乗り込むとすぐに出発です。

水上コテージへ

2018年11月24日(土)13:00[現地時間]

5分くらい経ったとき、かっ飛ばすソンテウが急に速度を緩めて停車しました。なんと踏切。

トンブリ―行きの258列車が目の前を通り過ぎました。のんびりとしたイメージのタイ国鉄ですがとても速いスピードで駆け抜けていきました。こちらのソンテウも負けてはいません。時速100kmほどで追いかけます。信号がない道路なのでビュンビュン飛ばしてあっという間に抜かしていったようです。水上コテージまでなら余裕で間に合うなあと思っていたらタムクラセー駅の1つ手前ワンポー駅の横を通りすぎたときになんとソンテウのお兄ちゃんが道を間違えるという痛恨のミス。猛アピールしてUターンしてもらい、川を越えて対岸の水上コテージがあるホテル方面に。今のタイムロスが効いて水上コテージに到着したときにタムクラセー駅に到着する258列車の汽笛が聞こえました。みんな猛ダッシュで水上コテージに向かいます。

13:40。素晴らしい青空の下、アルヒル桟道橋を渡るローカル列車をカメラに収めることができました。次の列車まで1時間もあるのでみなさんはホテルの屋外食堂でカオパットやヤムウンセンなどを食べていました。自分はあたりを散策。

ここの水上コテージは素晴らしいですね。本当に川の上に泊まれるんですね。ソンテウの貸切がなければ自力では絶対に来れなかったのでもう感謝しかないです。そして1時間が経ち、みんな川沿いのベストな撮影ポジションをあっちへこっちへ行って探していると「ぷーん」という汽笛が鳴り、ゆっくりとアルヒル桟道橋に910列車が登場しました。

客車の展望デッキやドアから眺める参加者や対岸の駅から撮影している参加者も見えました。天候にも恵まれてベストショットが撮れました。

910レを追いかける

2018年11月24日(土)15:20[現地時間]

さてさてここからはさっき撮影した910列車をソンテウで追い抜かしてカンチャナブリ駅まで先回りします。一か八かの勝負です。ここからカンチャナブリ駅までは約50kmで所要時間は50分。この計算なら少しの渋滞があっても間に合うはず。カンチャナブリに近づくとじょじょに混み始めました。ソンテウ内はちょっと予断を許さない状況。荷物を列車内に置いて来ちゃった人もいるから間に合わないとかありえない。カンチャナブリ駅まであと2kmのところで神様が微笑みました!910レに乗車している参加者からTwitterに入電。まだ戦場にかける橋まで来ていないとのこと。我々ソンテウ組はすでにその地点を過ぎていたので勝利を確信したのでした。

16:25カンチャナブリ駅到着、列車はまだ来ていませんでした。対向列車のナムトク行き259列車が入線し、その数分後の16:40。満を持して910列車がカンチャナブリ駅に到着しました。

すぐに乗り込みます。乗車していた参加者と話しをしていると途中で15分ほど駅に停車していたそうです。そしてツアーに同行していたタイ国鉄の職員から聞いていた発車時刻になってもカンチャナブリ駅を出発しません。どうも駅構内に掲示してあった16:53発が正解のようで、まさにアメージングタイランド、アメージングタイ国鉄なのでした。

バンコクへ

2018年11月24日(土)16:55[現地時間]

ほぼ定刻の16:55発車。最後尾だった展望車も今度は機関車の真後ろです。

髪の毛が油まみれになるのを覚悟で展望デッキから田園風景を眺めていました。日が傾きはじめ夕陽が差し込んでいました。世界の車窓からのテーマソングが似合うような疾走っぷりで一路バンコクを目指します。列車は猛スピードで田園風景を駆け抜けていくのでした。

2018年11月24日(土)18:10[現地時間]

ナコンパトム駅に到着。夕暮れが列車を照らします。

到着後すぐに出発。10分もするとあたりは暗くなってしまいました。まさに寝台列車の様相を呈してきて静まり返った車内は昔のブルトレを思い出させてくれます。

日本人しか乗っていない車内というのも不思議なもので日本では味わうことができない夜行列車の旅を短い時間ながらタイで楽しめました。タリンチャン駅を通りすぎるとあっと言う間にバンスー駅です。ここからは車をよけながら亀のようなスピードで終点を目指します。

2018年11月24日(土)19:40[現地時間]

無事フアランポーン駅到着。ハラハラドキドキの素敵な1日でした。このツアーを企画してタイ国鉄と交渉してくれた方、現地でソンテウをチャーターしてくれた方、DD51の情報をくれた方、いろいろな方に感謝の貸切ブルトレツアーでした。コップンカップ。

さてさてタイ国鉄時刻表の管理人としては最後に909レ/910レの時刻表を載せたいところなのですが正確な時刻表が???。(ツアーに参加した当時に調べた情報を元に作成した)時刻表を載せますが概略です。通過(レ)とあっても停車するかもしれません。現在の909レ/910レの時刻表についてはタイ国鉄時刻表をご覧ください。


旅行データ
旅行日:2018年11月24日(土)
費用:約13,000円(貸切のため高くなった)
機材:Nikon D5100
Sigma 10-20mm F3.5 EX DC HSM
Nikon AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
記事作成日:2019年3月10日
記事更新日:2023年5月19日